海洋土木工学プログラムで得た今の自分
海洋土木工学プログラム 4年
尾立 華菜(鶴丸高校 卒業)
私は元々人を支える仕事がしたいと考えており、その中でも生活に欠かせない道路や橋、ダムなどの社会資本を構築・維持するための技術である土木が学べる、この海洋土木工学プログラムを志望しました。
はじめは、ただでさえ男の子が多いイメージである工学部の中で、さらに土木分野となると、女の子は自分以外にいるのだろうかという不安でいっぱいでした。しかし、実際入学してみると10人ほど女の子がおり、とても安心したのを覚えています。今では、実験や実習などで仲が深まり、女の子に限らずプログラムの仲間と楽しく大学生活を送っています。また、女の子が少ないという点を活かし、海洋土木工学プログラムでは定期的に女子会が開かれます。1年生から4年生まで参加できるこの会では、履修や勉強、研究室の相談はもちろんのこと、何気ない会話も楽しめます。縦のつながりができる場があるのは大変ありがたいです。
私がこのプログラムを志望した理由に、人を支える仕事とありますが、受験生の時に具体的なビジョンがあったかと言われるとそうではありません。実際私が将来のビジョンをしっかり明確化できたのも、3年生になりインターンシップなどに参加するようになってからです。また、土木と聞くと、きつい・汚い・危険の3Kをイメージする人も多いでしょう。しかし、このプログラムで学べるものは私たちの未来をよりよくするために必要不可欠な技術であり、目指せる場所は幅広くとてもかっこいいものだと思っています。
受験勉強は大変で苦しいこともあるかと思いますが、待っている大学生活は明るく楽しいものです。皆さん、悔いが残らないよう頑張ってください。応援しています。
One for all, All for one !!
海洋土木工学プログラム 4年
小金丸 裕史(福岡県立春日高等学校 卒業)
海洋土木工学プログラムでは海洋学と土木工学を結び付けた学際的な学問を学ぶことができます。私は、大学在学中の「海洋学総論」や「海洋物理環境学」などの講義を通して海洋中には様々な運動エネルギーや熱エネルギーがあることを学び、これらの海洋エネルギーを私達の社会に活かすためのエネルギー資源として利用する研究をしたいと考えました。現在は、鹿児島県奄美大島周辺海域での潮流発電開発に関連して、大島海峡の高分解能海況予報モデルを構築する研究を行っています。
私は将来、世界を舞台に活躍する海洋土木技術者になることが目標です。そのために、キャリア形成の一貫として、2023年4月に鹿児島大学大学院/理工学研究科に進学し、その後9月から半年間はイギリスのセントラル・ランカシャー大学に交換留学生として留学することになっています。学部の学士一般教育システムでは、授業や単位の関係で在学中に交換留学を希望することは難しいですが、私は修士・学士一貫教育システムを活用して学部4年次に大学院の授業を先取り履修することによって、半年間留学しても2年間で大学院を修了することが可能です。イギリスは日本と同様な島国ですが、世界の中で最も海洋発電の導入が進んでおり、現在は大規模な潮流発電プロジェクトが行われています。イギリスでは、海洋土木工学に関連する授業を受けることに加え、スコットランドの欧州海洋エネルギーセンターや北海に設置された世界最大級の洋上風力発電ファームを見学し、研究成果を挙げるためのスキルアップだけでなく日本での海洋発電の実用化に貢献したいと考えています。また、私は現在、桜ヶ丘ラグビー部に所属しています。イギリスはラグビー大国なので、留学先の大学ではラグビーチームに所属し、さらにラグビーの精神を極めるとともに、本場の技術を学びたいと考えています。
鹿児島大学では、自分の実現したい夢に向けて勉学できる環境があり、親身になって相談に乗って下さる先生、職員の方々がいます。漠然とした自分の目標を具体的に考えることができます。今は、まだ自分のやりたい事が見つかっていない人もいると思いますが、大学に入学し、講義や先輩・同級生との会話、あるいは様々な経験を通したりして見つかることもあります。将来は充実したキャンパスライフが待っています。皆さんの大学受験を応援しています。
海洋土木工学プログラムで得られた仲間と未来
海洋土木工学プログラム 3年
福井 来未(鹿児島中央高校 卒業)
私が先進工学科海洋土木工学プログラムを志望した最大の理由は、土木工学に海洋学を加え、陸上や海洋、沿岸といった広大な領域を対象とし、環境学や材料学、土木技術などを身に着けることができる国内唯一の学科だからです。私は元々防災に興味があり、自己満足な正義感ではありますが、人を支える仕事がしたいと考えていました。それは、被災地訪問をした際に、津波によって壊された構造物や、傷ついた街をこの目で見て、自分の無力さを知ったことがきっかけでした。社会資本は私たちの生活に欠かせないものです。それを造ったり、守ったりする仕事に憧れを抱きました。
私は入学する前、より専門的な物理や数学についていけるのか、男の子ばかりで友達はできるのか、といった様々な不安を抱いていました。しかし、今となってはこの学科を選んでよかったと思うことばかりです。確かに、勉強は高校と比べると難しいですし、大変なこともたくさんあります。しかし、親身になって話を聞いてくれる先生方と、協力し合える友人がいて、勉強すらも楽しいと感じることがあります。また、実験や実習が多く、学科の人と仲良くなる機会も多いです。女の子が少ない分みんなと仲良くなることができるのも、この学科の強みだと思っています。
また、将来どのような仕事をしたいか、自分が何をしたいのか分からないという人がほとんどだと思います。私も、受験生の時は、実際にどのような会社があって、どういう仕事がしたいという明確なビジョンはありませんでした。しかし、授業の一環でインターンシップに行くことがあるので、周りの話を聞いたり、実際に自分が体験したりすることができます。私は3年生になって、将来何をしたいか考えられるようになりました。
「海洋」と聞くと、規模が大きすぎるあまり、想像がつきにくいかと思います。また、「土木」と聞くと、きつくて大変そうだと、汗臭いイメージを持つ人も少なくないと思います。私も初めは、そう考える内の一人でした。しかし、この学科で学べるもの、目指せる場所は、社会資本に関わるとてもかっこいいものです。就職先も多様なので、大学で学んでいくうちに自分のやりたいことを見つけていくことも可能です。受験は大変ですが、乗り越えた先には必ず良い未来が待っていると信じています。皆さんがぜひこの学科に入学してくださることを心待ちにしています。
海洋土木工学科で学ぶ
海洋土木工学プログラム 4年
正田 詩織(甲南高校 卒業)
私が海洋土木工学科を志望したのは、橋の構造に興味があったためです。幼いころからたびたび西田橋を訪れてその仕組みを不思議に感じていました。150年以上前に建設されたアーチ型の石橋が長期間供用されていたということが幼い私に橋への興味を抱かせてくれました。
実際に海洋土木工学科に入学すると、1年次には基礎知識や計算能力を培い、その後に専門的な知識を身に着けました。基礎知識を厳しくもしっかりと教えていただいたおかげで専門知識をより深く理解することができたと感じています。難しい講義は多いものの、同級生と議論しながら答えを導いたり、先生方に質問をしたりと多くのサポートを受けて現在まで充実した学生生活を送ってきました。特に同期入学の女子とは親しくなり、一緒に勉学に励むことはもちろん、休日には全員でドライブに行くこともあります。このような出会いがあったことは海洋土木工学科に入学してよかったと感じることの一つです。
4年生になり、今年度からは研究室に配属されて研究に励んでいます。3年次までに学んできた知識を基に、実際の現場で起こる課題の解決に向けての研究はとても興味深いです。研究室の同期とはとても仲が良く、お互いの研究を手伝ったり、プライベートでは遊びに行ったりと他に代えがたい大切な仲間ができたと感じています。
共に学ぶ友達、恵まれた実験設備、丁寧な指導をしてくださる先生方など入学してよかった点を挙げたらきりがありません。これからも論文執筆に向けて知識と経験を積んでいきたいと思います。
共通クラスから海洋土木PGに入って
海洋土木工学プログラム 3年
五反田 尚大(小倉南高校 卒業)
こんにちは。海洋土木PG2年の五反田尚大と申します。今回は、私が何故共通クラスに入ったのか、何故配属先として海洋土木PGを選び、入った結果どうだったかについてお伝えし、受験生の皆様にメッセージを送ろうと思います。
まず、何故私が工学部共通クラスに入ったかというと、受験直前まで工学部を全く志望していなかったからです。私は高校3年間他の学部を志望していたので(とは言うものの高校理科、特に化学は好きで、工学自体に全く興味が無かったわけではありません)、工学部で何がしたいかが明確に定まって無かったのです。なので、私の経験から言うと、具体的に何がしたいか決まっていない方に共通クラス(括り枠)はオススメです。共通クラスでは一年前期で先進工学科の各プログラムでどのようなことを学んでいるかを実際に体験し、後期で希望する配属先に行くことになります。私が大まかに自分のしたいことを見つけることがでたのは、様々なことを体験して学んだ前期の期間があったからだと思います。
次に海洋土木PGに入ってどうだったかについてです。前述した通り、共通クラス入学時点で何も決まってなかった私ですが、海も対象にしていること、土木という公共性の高いことで世の役に立ちたいと思ったこと、そして、国立大学では鹿児島大学のみにしかないということから海洋土木PGに所属することにしました。さて、このPGに所属してどうだったかについてですが、率直に言って、このPGを配属先に選んで良かったと思っています。授業の内容は面白いですし(高校の地理の答え合わせのようで海洋学総論という講義は特に好きでした)、先生達のサポートも手厚いです(一ヶ月間入院して授業に遅れをとってしまいましたが、サポートがあったお陰で何とかなりました)。今後もこのPGで多くのことを学び、海洋に携わることができればと思っています。
最後に受験生の皆様に向けてのメッセージですが、受験は悔いがないように限界を超えて頑張ってみてください。前述の通り私は高校三年間ずっと志望していた学部に行くことはできませんでしたが、今では三年間頑張った結果だと思って納得しており、そのおかげで前を見て新しくしたいことを見つけることができています。皆さんの受験がうまくいくことはもちろんですが、それ以上に、受験の中で悔いが残らないようになることを切に願っております。
海洋土木工学科に入学して
海洋土木工学科 4年
鴨井 里佳(鹿児島県立川内高等学校 卒業)
私が海洋土木工学科(現:先進工学科海洋土木工学プログラム)を志望した理由は、土木と海洋の工学について学べる学科だったためです。小さい頃からものを作ることが大好きであったことと、2011年の東日本大震災で街や人が津波に呑まれる動画を見て、災害から人の命を救いたいという思いから、この学科を受験しました。
約2年間様々な分野について学んできて、どの講義もとても興味深いものばかりでした。特に「構造力学」「土質力学」「水理学」は、講義内容を日常で体験して来たこと(例えば、ぬかるんだ土の上に自分が立った時、自分は少し沈み、さらに地面から水が出てくる。定規をそらせた時、定規が元に戻ろうとする力が自分の手にかかっているなど)を踏まえて、自分なりに解釈しながら理解していくことがとても楽しいと感じました。「測量学実習」は、TSやレベル、標尺を実際に使い、手簿を整理して、距離や角度を求めていきます。ミリ単位のズレで誤差が許容範囲から外れてしまうので、正確に測量していくことがとても楽しいです。
「工学部」と聞くと、男性ばかりの学部というイメージがあるかもしれませが、最近は女性の人数も増えてきています。他の学部と比べるとまだ人数は少ない方ですが、逆の意味で捉えると、人数が少ないからこそ、女子全員と仲良くなることができます。私は、この2年間同期の女子と過ごしてきて、とても楽しかったです。講義で分からないところがあれば、講義後に教えあったり、テストが近づくと一緒にテスト勉強をしたりと、みんなで共に試練を乗り越えてきました。時間があれば、誰かの家に集まりご飯を食べたり、遊びに行ったりと、学外でも楽しい時間を過ごしています。新型コロナウイルス感染症により、前期は会えていませんでしたが、後期に久々に会うとやはり同期の女子が好きだなと思いました。
同期の女子だけではなく、院生から1年生までの全学年女子とも交流があります。以前は、新入生歓迎のご飯会を行ったり、1年間お疲れ様ご飯会を行ったりしていました。新型コロナウイルス感染症が流行してからは、教室に集まり感染に気をつけながら女子会が開かれています。このたくさんの女子会で、これからの講義内容についてや就職などの将来のことについて知ることが出来たり、縦の関係を作ることが出来たりしました。もし、女子の人数などで心配なことがあるのならば、このような交流があるので安心して受験してください!
これからまだまだ学ぶことはたくさんありますが同期と協力し合いながら勉学に励んでいこうと思います。
海洋土木工学科の魅力
工学専攻海洋土木工学プログラム 博士前期課程2年
束元 大介(宮崎県立日南高等学校 卒業)
“土木の仕事は地図に残る” 私は、この言葉に魅力を感じ、この学科に入学しましたが、この4年間の学習から、“土木”の偉大さをさらに痛感しました。この四年間で私なりに考えた“土木”に求められる意義について3つ紹介します。
(1) 道路、橋梁、港湾など生活に欠かせないインフラ整備を行い、生活環境を維持する。
(2) 土木による対策で、災害の被害を最小限に食い止め、人命を守る。
(3) 現在よりも、快適で安全な生活を送れるように、土木技術の発展・向上に励む。
つまり、私たちが今、何不自由なく過ごしているのは、“土木”が支えているからだと実感しています。ぜひ、“土木”について興味を持ってほしいと思います。
ここから具体的に講義の内容について、私が好きだった「海洋土木実験」を例にご紹介します。大学での授業は講義形式のものだけではなく、実験もあります。仕事現場でも実際に使われる機械を用いた測量、コンクリートを実際に作って強度の検討や、津波などに対する実験など、色々なことを経験することができます。学科のみんなと協力して、考察を行い、試行錯誤しながら目標を達成することは、実践的で良い経験になりました。
現在、4年間の集大成として、卒業論文に取り組んでいます。地盤工学に関する研究室に配属され、「斜面崩壊における数値シミュレーション評価」について研究を進めています。斜面崩壊の挙動の数値シミュレーションを開発し,防災・減災技術の開発に貢献することを目標としています。現状ではまだまだ課題も存在するものの、教授や先輩のご指導の下、少しずつではありますが目標に近づいています。
受験生の皆さん、海洋土木工学科(現:先進工学科海洋土木工学プログラム)では、専門的な知識を得るだけでなく、社会で活躍する技術者としてのスキルも身につけることもできます。将来、「人の役に立つ構造物を設計・施工したい」「災害の強い社会、日本をつくりたい」などの夢を実現できる環境が海洋土木工学科にはあります。大学受験は大変で苦しいものだと思いますが、その先には、明るい大学生活が待っています。皆さんの進路実現を応援しています。