奥山 尚美
多くの人が足を運ぶ建築をつくりたいと思い、総合建設会社(ゼネコン)設計部に就職しました。入社後半年間は現場研修で施工管理の仕事を経験し、現在は設計部で商業施設、オフィスビル、ホテルの複合物件の実施設計を行っています。入社後はじめに現場を経験したことで、建築への理解が深まったのはもちろんですが、1つの建物が本当に多くの人の力の積み重ねで出来上がっていることを身を持って実感し感動しました。設計部に配属され、わからないことばかりで勉強の日々ですが、最近は建築を見ると学生時代には気にも留めなかったような細かな部分にも目がいくようになり、建築の難しさと面白さを感じています。
学生時代はワークショップ等も含め、国内外いろいろな場所に行きました。その中でもフランスのコルビュジェ建築をまわったことや、九州ならではの地域に根付いた活動にいくつも参加できたこと、他大学との交流等は自分の視野を広げる大きな経験になりました。
大学院では、過疎地域の小学校をテーマとし、過疎地域ならではの2学年以上を1学級に編成した複式学級の調査・研究をし、修士設計としてこれからの小学校の未来像の提案を行いました。実際に時間をかけて調査して見えてきた課題に対する、自分なりの提案をつくっていくのは、それまでの設計課題とは一味違い、とてもおもしろかったです。また、鹿児島にいたからこそできた研究かなと思っています。
大学生活は、自分の知りたいことややりたいことに時間をかけて取り組むことができる時期だと思います。建築は、実体験が大きく活きてくる分野だと思うので、今学生生活を送っているみなさんやこれから入学するみなさんには、積極的にいろいろなところに出かけたり、活動に参加したりして、有意義な時間を過ごしてほしいなと思います。