生物・化学を工学部で学ぶこと
化学生命工学プログラム 1年
西薗 みなみ(時任学園樟南高校 卒業)
『工学部』というとどんなイメージがあるだろうか?とにかく男子が多い、機械、建築、情報系・・・少しとっつきにくい。少なくとも化学や生物のイメージは私にはまったくなかった。ちなみに化学生命工学プログラムは女子学生もとても多いので安心してほしい。
「物理選択でなくては工学部を受験できない。工学部に行く気はないか?」と生物の先生に問われたのは、高校1年の文理選択の時期だった。国立理系に進学することしか決めていなかった私は、「大好きな」生物を選択するか、「あの」物理を選択するかギリギリまで迷っていた。まさか生物の先生に物理を勧められると思っていなかったため心底驚いた。
工学部で化学や生物を学べると知ったのはその時である。
鹿児島大学では工学部以外に理学部や農学部、水産学部などでも「生物」を学ぶことが出来る。その中で私が工学部を選択したのは、物理、生物、化学の3つの分野を融合させて研究することに大きな魅力を感じたからだ。研究対象を様々な方向、広い視野で見ることが出来るということは、研究者としてとても重要なことだ。
私はまだ1年生のため、専門科目は少ない。多くは自分の視野を広げるための教養科目である。前期の科目の中で最も印象に残ったのが『初年次セミナー1』という科目だ。様々な学部学科のグループのメンバーと協力して1つのプレゼンテーションを作り上げる。自分とは全く別の方向からの意見、意見の食い違いから繰り広げられる討論。大学生になったのだと最初に実感した授業だった。
サークル・部活の活動の自由度もこれまでと比べ物にならないほど高い。私は探検部という部活で登山を主に活動しているが、今までと全く違う世界が毎度新鮮だ。勉強はもちろんだが、サークル活動やアルバイトなど今しかできない経験を積むことも大学生にとって大切なことだと思う。
生物を将来学びたいと考える高校生は、迷わず生物を選択する前に少し考えてほしい。工学部は物理を選択しなくては受験が難しい。私が高校の先生に言われたことだが、「大学からでも生物は思い切り勉強できる」。物理を嫌う人は多いが、物理を学ばなければわからない生物や化学の世界がある。
将来どんな研究者になりたいのか、どんな人の力になりたいのかイメージしながら受験を乗り切ってほしい。希望する進路に受験生の皆さんが進めることを心から願っている。
化学生命工学プログラムに進学して
化学生命工学プログラム 1年
松岡 明寛(鹿児島実業高校 卒業)
私はもともとコンピューターが好きで、当初は工学部の情報系の学科へ進学するつもりでいました。しかし、受験生活の中で、ありとあらゆるものの構成要素である原子、分子にロマンを持ったことや、製薬や生命分野の事柄に興味を持ったことにより現在の化学生命工学プログラムに進学しました。
高校と大学とで一番違うのはやはり、自由度の高さであると思います。大学では必修科目といって必ず受けなければならない講義もありますが、共通教育科目と言って、自分の学部外の教授や講師の方々の講義を受けることができ、純粋に知性と教養を深め学問に取り組むことができます。他にも様々な学部や県の方々と交流することができるため、いろいろな人からの刺激を受けながら勉強することができます。
鹿児島大学の職員の方々は学生生活が充実するように生徒に寄り添って下さっているため、わからないことや悩み事の相談に乗って下さるだけでなく、様々な充実した設備を利用できるようにしてくださっています。大きく、いろいろな本を読むことができる図書館や、きれいで勉強に集中できるような自習スペースはもちろん、郡元キャンパスでは中央食堂を入れて4つほどのレストランを利用できます。
学問以外にもアルバイトやサークル活動などの学外の活動も大学生活の魅力です。私は軽音サークルに所属し楽しくギターを練習しています。難しくなかなか習得できないこともありますが、充実した日々を送れています。サークル活動は新しいことに気軽にチャレンジすることができるため、いろいろな経験をしながら学生生活を送ることができます。また、サークルの先輩方は学生生活で分からないことや授業のことなども教えて下さるので学業の面でも充実すると思います。
受験生は様々な知識を習得しなければならなくて大変かもしれませんが、受験生活で得た知識は大学で自分で興味を持った事柄を探求していく際にとても役立つものだと思います。また、大学生活では自由度が高い分、主体的に勉強をしたり、活動することが求められます。そのため、わからないことや、不得意なことは友人に手助けしてもらったり、時には協力して学生生活を送っていくことが大事だと思います。